大学院試験は、筆記試験の結果で合否が決まります。
しかし、ほぼすべての院試で面接があります。
留学生や他大学の学生のような外部生に面接をするだけではなく、
内部生にも面接が課せられます。
大学院に進むには、面接を避けることはできません。
どのような質問があるのか、詰められる(怒られる)のではないかなど緊張するでしょうが、しっかりと対策をすれば面接試験は軽々と通過できます。
むしろ、筆記試験の結果が振るわなくても面接で合格できる可能性があります。
本記事では、院試の面接で必要な知識として、
よくある質問例や服装などの流れとマナーを全て紹介します。
院試面接は詰められる?

面接と並んで出てくる言葉に「圧迫」があります。
就活に限らず院試面接でも圧迫面接があり、
ボロボロ、ボコボコに詰められて泣きそうになる人がいます。
逆にあっさりと終わってしまい合格を手にする人もいます。
怒られる、スムーズに面接が進む人の違いは大きく2つに分かれると考えられます。

私は外部で旧帝大を受けましたが、あっさりとした面接でした。
- 筆記試験が良い結果
- 内部生
通常、大学院を変えるのはイレギュラーであり、
外部からわざわざ研究テーマを変えるというのは妥当な理由が必要です。
それでも、筆記試験が良ければ軽々と面接が通過できます。
私の場合は、試験の手ごたえを聞かれた後に、
合格の可能性はかなり高い。(=合格です。)といわれました。
その後は研究内容と学生時代にがんばったことなどの質問で終わりました。
面接が原因で落ちる?

大学院試験は、筆記試験、英語試験(TOEICやTOEFLのスコア提出が一般的)、面接の3つの要素で構成されていることが多いです。中でも面接は、研究計画や志望動機、専門知識、受験生の人柄などを評価する重要な機会です。
面接がある以上、「面接の評価が悪かったら落ちるのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。特に、面接で詰められたり、うまく答えられなかった経験があると、「不合格フラグでは?」と焦ることもあるはずです。
しかし、実際のところ、面接が致命的な原因で不合格になるケースはそれほど多くありません。筆記試験での点数が極端に低くない限り、面接だけで落とされる可能性は低いのが一般的です。面接はむしろ、学力試験でやや振るわなかった人を拾い上げる役割を持つこともあります。
ただし、以下のような場合は面接が不合格の決定打となることがあります。
面接が原因で不合格になりやすいケース
- 研究計画があまりにも曖昧・ズレている
指導教官が「この研究では修士課程の学習が成り立たない」と判断すると、不合格になる可能性が高くなります。
特に、「研究計画書に書かれている内容が浅い」「研究テーマが指導教官の専門から外れている」といった場合は注意が必要です。
- 質問にまったく答えられない
多少詰まったり、考えながら話す程度であれば問題ありません。
しかし、基本的な専門知識を聞かれて何も答えられない、
または誤った知識ばかり答えると、「学力不足」と判断される可能性があります。
- やる気・志望動機が伝わらない
「なぜこの研究をしたいのか?」「なぜこの大学院なのか?」を明確に説明できないと、
面接官に「本当にこの人は研究をやる気があるのか?」と思われてしまいます。
特に、「とりあえず院に行こうと思った」といった態度が伝わると、
厳しい評価を受けることがあります。
- 態度が悪い・コミュニケーションが極端に苦手
あまりにも横柄な態度、極端に無表情・無反応、敬語が使えないなど、基本的なマナーが欠けていると、研究室に迎え入れることをためらわれることがあります。
特に、大学院は教授と直接関わる場面が多いため、
「この人と一緒に研究するのは難しい」と思われるとマイナス評価になります。
- 他の志望者との比較で不利になる
競争率の高い研究室では、面接の印象が選考の決め手になることもあります。
特に、人気の指導教官のもとに志願者が殺到する場合、学力試験の点数に大きな差がないと、
面接での対応力が合否を分けることがあります。
大学院面接の質問例と回答例

大学院の面接では、定型的な質問が多く出題されます。
面接官は受験生の能力、志望動機、将来のビジョンなどを確認するために、
あらかじめ決まった質問を通じて人物評価を行います。
事前に定型質問を把握し、自分に合った回答を準備しておくことで、
当日自信をもって回答できるようになります。
以下では、よく出題される質問例とその回答例、そしてポイントを詳しくご紹介します。
実際の面接では、質問のニュアンスや面接官の意図に応じて、
柔軟かつ自分らしい回答をすることが求められます。
事前に何度もシミュレーションを行い、実際に声に出して練習することで、より自然な受け答えができるようになります。自分の言葉で自信を持って伝えることが、面接で成功するための鍵です。
現在の研究内容を教えてください。
試験は夏に行われることが多いです。
4年生は院試があるので、研究を進めている人は少ないです。
これは内部生、外部生どちらにも言えます。
研究はまだやっていませんでは通用しないので、研究テーマを用意しておく必要があります。
ただし、あまりにも踏み込んで研究内容を言うことは控えるべきです。
就活とは異なり、面接官(大学教授)は研究のプロです。
いくら研究内容に違いがあっても、自身の経験から質問されます。
数か月の知識では太刀打ちできないので、
研究に使う装置や材料、勉強していることなどを言うと良いでしょう。
試験の出来はどうでしたか。
自信を持ってできた部分を強調しつつ、完璧ではなかった点についても素直に認めることで、前向きな姿勢と改善意欲をアピールしてください。
「全体としては自分の力を発揮できたと感じていますが、〇〇の大問△△では予想以上に苦戦しました。試験後に考え直して間違いに気が付きました。」
志望動機
内部生の場合は、進学の目的や将来のビジョンを明確に伝え、外部生の場合は、なぜ自分の出身大学ではなく、貴学を選ぶのか、具体的な理由や貴学の強みについて触れると良い印象を与えます。
回答例(内部生の場合)
「〇〇研究室に所属して最新の技術や知識を習得することが、将来のキャリア形成に大きく寄与すると考えたので、進学を考えました。」
回答例(外部生の場合)
「進学先を考える中で、貴学の企業や研究所と連携して最先端の研究をしていることに魅力を感じたためです。」
博士課程に進まないか
内部生の場合は、やんわりと修士までという回答で問題解決が期待できます。
外部生の場合は大学院を変えるにも関わらず、
博士に進学しないのは何を目指しているのか気になるところです。
しかし、内部生・外部生関係なく修士までというと印象が悪いので、
悩んでいると曖昧な表現で良いです。
回答例(外部生で博士号取得を希望する場合)
「将来的には博士号の取得も視野に入れております。まずは修士課程で基礎を固め、研究成果を積み重ねながら次のステップとして博士課程に進む計画です。」
回答例(外部生で修士課程で留まる場合)
「現段階では修士課程修了後、技術者として社会に貢献したいと考えていますが、在学中に博士への進路も検討する可能性は十分にあります。」
学部生時代に頑張ったこと
学業を頑張ったということでも良いでしょうが、部活動やアルバイトなど、学部生時代に力を入れた取り組みを伝えてもよいでしょう。面接官に対して、あなたが多方面で成果を上げていることを示す良い材料になります。
ただし、GPAが判明しているのであまりにも低いのに勉強を頑張ったというと、
追及されることがあるでしょう。
学部生で興味を持った(印象に残った)科目
「学部生時代に頑張ったこと」と似ていますが、学問について聞いてきます。
ここでは、志望する研究室に関係する科目を挙げてください。
デバイス系の研究室でプログラミングの講義が面白かったと答えると、
なぜシステム系の研究室を志望しないのかと追加で聞かれます。
したがって、研究室に関係のある科目を挙げてください。
どうしても関係ない科目を言いたい場合は、その科目と研究がどのように関係するのか伝えると良いでしょう。
面接時の服装

初めに、面接時の服装について説明します。
大学院側から服装に関する指定はありません。
大学院からすると服装は何でも良いというように感じますが、
絶対にスーツ着用で面接に臨んでください。

面接に限らず、就活の面接。
卒論発表や祝賀会(研究終了パーティ)はスーツを着用します。
夏の服装はどうする?
- Q夏の場合は、ワイシャツだけでも良い?
- A
ジャケットも着用する
院試は梅雨が明けた7月下旬~8月下旬に行われます。
大学院によって、9月に実施する場合もあります。
要するに、院試が実施する時期はとても暑いです。
筆記試験は普段着でよく、むしろスーツでは非常に目立ってしまいます。
しかし面接では、きちんとした服装をしないといけません。
したがって、面接がある数十分は我慢して、試験前と後でジャケットを着ないで過ごしてください。

猛暑日でジャケットを着ていると熱中症になり、
試験結果が影響があるので、体温調節が必要です。
まとめ
大学院入試の面接は、筆記試験や英語試験とともに、受験生の研究計画、志望動機、専門知識、そして人柄を評価する重要な試験項目です。
面接で詰められたらどうしようと不安を抱く受験生も多いですが、
面接だけで致命的に落とされることは少ないといえます。
非常に緊張しますが、堂々とした態度で熱意を伝えれば面接試験も上手く進みます。
また、大学院の面接では定型的な質問が多く、例えば「試験の出来はどうでしたか」「志望動機」「博士課程に進まないか」「学部生時代に頑張ったこと」といった質問が頻出します。
これらの質問に対しては、自分の強みや今後の改善点を正直かつ前向きに伝えることが大切です。
特に、外部生の場合は、なぜ自分の出身大学ではなく、志望先の大学院を選んだのかという理由を具体的に説明する必要があります。